第3回:最新技術が叶える精密さ!「光造形機」で出力されるジュエリーの卵

全10回でお届けしている「WAIWAI コラム」。第3回となる今回は、最新技術である「光造形機(3Dプリンター)」についてのお話です。

前回の第2回では、3DCAD(コンピューターによる設計ソフト)を使って、パソコンの画面の中でお客様の理想のデザインをカタチにしていく過程をご紹介しました。 「画面上ではきれいだけど、実際にどうやって本物の指輪になるの?」と疑問に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、その「画面上のデータ」が、魔法のように「現実の立体」へと生まれ変わる瞬間、ジュエリーづくりの心臓部ともいえる工程をご紹介いたします。

■ 画面のデータが現実になる!「光造形(3D プリンター)」技術とは?

ジュエリーを作るには、まず金属を流し込むための「原型」が必要です。 昔ながらの製法では、職人が手作業で「ワックス」と呼ばれるロウのような素材を削り出し、原型を作っていました。もちろん現在でも手作業で行う部分はありますが、WAIJEWELRY ではフルオーダーや細かなカスタマイズのご要望に完璧にお応えするため、最新の「光造形機」を導入しています。

光造形機とは、いわゆる高性能な 3D プリンターの一種です。液状の特殊な樹脂に紫外線を当てて、少しずつ硬化させながら立体物を作り上げていく最新設備です。 パソコン上で作成した 3DCAD データをこの光造形機に送ると、画面の中にしかなかったデザインが、なんとミクロン(1ミリの1000分の1)単位の精密さで、立体的な樹脂の原型として出力されます。

画像をご覧いただくと、赤い樹脂の指輪の周りに、細い柱のようなものがたくさん付いているのがお分かりいただけるかと思います。これは「サポート材」といい、出力中にもろい樹脂が崩れないように支えてくれる足場のようなものです。出力が終わると、このサポート材を丁寧に取り除き、原型の完成となります。

■ オーダーメイドジュエリーにまつわる疑問・迷いを解決!

ここで、お客様からよくいただく疑問や、オーダーメイドを検討される際に迷われがちなポイントについて、Q&A 形式でお答えしていきます。

Q1. 「手作り」ではなく機械を使うと、冷たい印象になったり、温かみがなくなったりしませんか?

A. そのお気持ち、とてもよく分かります。「機械任せ」と聞くと、工場で大量生産されるようなイメージを持たれるかもしれません。しかし、光造形機はあくまで「設計図(データ)を完璧に立体化するためのツール」です。 ジュエリーには、0.1ミリ単位で爪(宝石を留める部分)の角度や太さを調整しなければならない繊細さがあります。この「寸分違わぬ正確さ」においては、機械の精密さが圧倒的な強みを発揮します。 一方で、機械で出力した原型が金属になった後、指になじむように内側を丸く磨き上げたり、宝石を美しく留めたりするのは、すべて熟練の職人の「手仕事」です。 最新の設備で「完璧な形」を作り、職人の手作業で「命と温かみ」を吹き込む。この二つが融合して初めて、WAIJEWELRY の着け心地がよく美しいジュエリーが完成するのです。

Q2. 頭の中にあるイメージや、複雑なデザインでも本当にイメージ通りに出来上がりますか?

A. はい、光造形機があるからこそ、イメージ通りの仕上がりがお約束できます。 職人が手で原型を削る場合、どうしても「職人の解釈やクセ」が少し入ってしまい、わずかなニュアンスの違いが生まれることがあります。しかし、3DCAD と光造形機の組み合わせであれば、お客様と一緒に画面で確認したデータが、そのままの比率、そのままの形で出力されます。 「出来上がってみたら思っていたボリューム感と違った」というズレが起きないのが、最大のメリットです。アンティーク調の複雑な透かし模様や、お客様がお持ちの不規則な形の宝石にぴったりと合わせた石座なども、驚くほど正確に形にすることができます。

Q3. この赤い樹脂の指輪が、どうやってプラチナやゴールドの指輪になるのですか?

A. この赤い樹脂は、あくまで「原型」です。ここから金属に変えるために、「キャスト(鋳造)」という工程に進みます。 具体的には、この樹脂の原型を石膏(せっこう)で包み込んで固めます。その後、高温の炉に入れて加熱すると、中の樹脂だけが溶け出して(あるいは燃え尽きて)、石膏の中に指輪の形の「空洞」ができます。 その空洞に向かって、ドロドロに溶かしたプラチナやゴールドを流し込み、冷やして固めるのです。石膏を割って取り出すと、赤い樹脂と全く同じ形の、金属の指輪が誕生します。 つまり、この光造形機で出力された赤い樹脂は、美しいジュエリーへと生まれ変わるための「ジュエリーの卵」なのです。

■ WAIJEWELRY の「すべて自社」だからできること

カスタムオーダーなどで理想のデザインを追求すればするほど、デザインは繊細で複雑になっていきます。 「あと0.2ミリ幅を細くしたい」「ここのカーブをもう少しなだらかにしたい」といった細かなご要望も、WAIJEWELRY なら完璧にお応えできます。

それは、デザインを描くデザイナー、3D データを作るオペレーター、そして今回ご紹介した光造形機などの最新設備、さらには仕上げを行う職人が、すべて同じ工房に揃っているからです。 外部の業者にデータを送って出力してもらう場合、確認に時間がかかったり、細かなニュアンスが伝わりきらなかったりすることがあります。しかし、私たちは自社工房で一貫して製作を行っているため、お客様の想いを寸分違わず、そしてスピーディーに形にすることができるのです。

■ 次回予告

今回は、画面上のデータが最新技術によって「ジュエリーの卵(原型)」になるまでの驚きの工程をご紹介しました。 次回は、この「卵」がいよいよ本物の金属へと姿を変え、職人の手によって美しく磨き上げられていく工程にスポットを当ててみたいと思います。

どんな風にあのキラキラとしたジュエリーの輝きが生まれるのか、どうぞお楽しみに! 結婚指輪や婚約指輪、お持ちの宝石のジュエリーリフォームなど、オーダーメイドにご興味のある方は、ぜひお気軽に WAIJEWELRY までご相談ください。

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