ジュエリーのお手入れ、やっていいこと・ダメなこと。輝きを一生保つためのプロの知恵

結婚指輪や婚約指輪、そして記念日のご褒美ジュエリー。 皆さまが WAIJEWELRY で選んでくださった宝飾品は、ただの装飾品ではなく、人生の大切な瞬間や想いが込められた「一生もの」です。

購入したばかりの時は、息をのむほど美しく輝いていたジュエリーも、毎日身につけていれば少しずつ汚れがついたり、輝きが曇ってしまったりするものです。「なんだか最近、ダイヤの輝きが鈍くなった気がする」「プラチナに小さな傷が増えてきたかも」……そんなふうに感じることはありませんか?

大切なジュエリーだからこそ、いつまでも美しく身につけたい。でも、「自分で洗ってもいいの?」「どんなことをしたらダメなの?」と、お手入れ方法に不安を感じている方も多いはずです。

今回は、創業以来、工房で数多くのジュエリーを生み出し続けてきた私たち WAIJEWELRY が、「ご自宅でやっていいケア・絶対にやってはいけないNGケア」そして「プロに任せるべきタイミング」について、詳しく解説します。

正しい知識を身につけて、あなたの大切な宝物を長く愛してあげてくださいね。

第1章:自宅でできる!簡単&正しいジュエリーケア

「ジュエリーのお手入れ」と聞くと、専用の道具が必要で難しいものだと思っていませんか? 実は、日々のちょっとした習慣と、身近なものでできるケアだけで、ジュエリーの美しさは劇的に変わります。

まずは、ご自宅で安心して行っていただける「基本のケア」をご紹介します。

1. 基本中の基本は「使い終わったら拭く」こと

一番簡単で、かつ最も効果的なケアは「拭くこと」です。 ジュエリーの輝きを曇らせる最大の原因は、実は私たちの汗や皮脂、化粧品です。特にダイヤモンドは親油性(油となじみやすい性質)があるため、指で触ったり、ハンドクリームがついたりするだけで、表面に油膜が張り、輝きが鈍くなってしまいます。

  • 方法: ジュエリーを外したら、ジュエリーボックスにしまう前に、柔らかい布で優しく全体を拭き取ってください。
  • おすすめの道具: セーム革(鹿革)や、メガネ拭きのようなマイクロファイバークロスが最適です。ティッシュペーパーは繊維が粗く、金やプラチナなどの地金に微細な傷をつける可能性があるので、できれば避けましょう。

2. 輝きを取り戻す「中性洗剤での洗浄」

「拭くだけでは輝きが戻らない」「ダイヤモンドの裏側に汚れが溜まっている気がする」。そんな時は、水洗いをしましょう。ゴールド(K18など)やプラチナ(Pt900/Pt950)、そしてダイヤモンド、ルビー、サファイアといった硬度の高い宝石は、ご自宅で水洗いが可能です。

  • 用意するもの:
    • コップや洗面器(排水溝に流さないための必須アイテム!)
    • ぬるま湯
    • 台所用の中性洗剤(おしゃれ着洗い用でもOK)
    • 毛先の柔らかい歯ブラシ(子供用や使い古しで毛が広がったものがおすすめ)
    • 柔らかい布
  • 洗浄の手順:
    1. 容器にお湯を入れる: コップや洗面器にぬるま湯を入れ、中性洗剤を数滴垂らして薄めます。 ※絶対に洗面所で直接洗わず、容器の中で洗ってください。手から滑り落ちて排水溝へ……という事故を防ぐためです。
    2. つけ置き&ブラッシング: ジュエリーを浸し、汚れを浮かせます。汚れが気になる箇所、特にダイヤモンドの裏側や石を留めている爪の隙間を、歯ブラシで優しく撫でるように洗います。 ※ゴシゴシと力を入れすぎないのがポイントです。
    3. すすぎ: 洗剤が残らないように、真水でしっかりとすすぎます。ここでも必ず容器の中で行うか、排水溝にネットを張るなどして紛失対策をしましょう。
    4. 乾燥: 柔らかい布で水分を優しく拭き取り、風通しの良い場所でしっかりと乾かします。水分が残っていると、水垢の原因になったり、リングの内側がかぶれの原因になったりすることがあります。

第2章:これだけは避けて!絶対にやってはいけない「NG ケア」

良かれと思ってやったことが、実はジュエリーの寿命を縮めているかもしれません。インターネット上にはさまざまな裏技情報が溢れていますが、プロの視点から「絶対に避けてほしいこと」をお伝えします。

NG その1:熱湯での煮沸消毒

「汚れが落ちそう」「殺菌できそう」というイメージから、熱湯にジュエリーを入れる方がいらっしゃいますが、これは非常に危険です。 急激な温度変化(ヒートショック)により、宝石内部のわずかな亀裂が広がって割れてしまったり、変色したりする恐れがあります。特に天然石はデリケートです。洗浄には必ず「ぬるま湯(人肌程度)」を使用してください。

NG その2:歯磨き粉での研磨

「歯磨き粉で磨くとピカピカになる」という噂を聞いたことはありませんか? 確かに一時的に綺麗になったように見えるかもしれませんが、これはおすすめできません。多くの歯磨き粉には「研磨剤」が含まれています。この研磨剤の粒子は、金やプラチナにとっては粗すぎるため、地金の表面に無数の細かい傷をつけてしまいます。 傷がつくと、最初は光って見えても、すぐにその傷に汚れが入り込み、結果的に余計に曇りやすくなってしまいます。

NG その3:漂白剤や強力な洗剤の使用

キッチンハイターなどの塩素系漂白剤は、金属にとって大敵です。塩素成分が金やプラチナ、シルバーと化学反応を起こし、変色や変質の原因になります。 また、酸性・アルカリ性の強い洗剤も避けましょう。必ず「中性」と書かれた洗剤を使用してください。

NG その4:すべての石に「超音波洗浄機」を使う

メガネ屋さんなどで見かける超音波洗浄機。ご家庭用のものも販売されていますが、使用には専門知識が必要です。 ダイヤモンドやルビー、サファイアなどは比較的丈夫ですが、以下の宝石は超音波の振動で割れたり、ヒビが入ったりする可能性が高いため、絶対に使用してはいけません

  • 超音波 NG な宝石例: エメラルド、オパール、真珠(パール)、珊瑚、ターコイズ、タンザナイト、トパーズ、ペリドットなど。 また、宝石が接着剤で留められているデザインのものも、振動で接着が剥がれる可能性があるため NG です。

判断に迷う場合は、自己判断で機械を使わず、プロに任せるのが一番安全です。

NG その5:保管時の「ごちゃ混ぜ」

お手入れ後の保管方法にも注意が必要です。ダイヤモンドは地球上で最も硬い鉱物ですが、それは「ひっかき傷に強い」という意味です。 ダイヤモンド同士、あるいはダイヤモンドと他の宝石(ルビーやゴールドの地金など)がぶつかり合うと、硬いダイヤモンドが他の石や金属を傷つけてしまいます。 ジュエリーボックスに入れる際は、仕切りのあるものを使うか、個別に小袋に入れるなどして、ジュエリー同士が触れ合わないようにしましょう。

第3章:それはプロの出番です!クリーニング・磨き直しのタイミング

日常のお手入れをしていても、「なんだか輝きが戻らない」「傷が目立ってきた」と感じたら、それはご自宅でのケアの限界かもしれません。 ジュエリーは車検や健康診断と同じように、定期的なプロのメンテナンスが必要です。

では、具体的にどのような状態になったら、私たちのような専門店に相談すべきなのでしょうか?

1. 地金の「小傷」が目立ってきた時

毎日愛用している結婚指輪などは、どうしても生活傷(細かな擦り傷)がつきます。傷が増えると、金属表面の光の反射が乱れ、全体的に白っぽく、ぼんやりとした印象になります。 これは汚れではなく「傷」なので、いくら洗っても輝きは戻りません。

そんな時は、プロによる「新品仕上げ(磨き直し)」の出番です。 工房の職人が、専用の研磨機(バフ)を使って表面をごく薄く磨き上げることで、まるで新品のような鏡面の輝きを取り戻すことができます。 「もう何年も経っているから仕方ない」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。その変貌ぶりに、きっと驚かれるはずです。

2. 変形してしまった時

重い荷物を持ったり、スポーツをしたり、あるいは強い衝撃が加わったりすることで、指輪が楕円形に歪んでしまうことがあります。 「少し歪んでいるけれど、指には入るから大丈夫」と放置するのは危険です。 リングが変形すると、宝石を留めている「爪」の部分にも負荷がかかり、爪が開いて石が外れてしまう(石落ち)リスクが非常に高くなります。 変形に気づいたら、無理に自分で直そうとせず(金属疲労で折れることがあります)、すぐにプロに修理を依頼してください。

3. 宝石がカタカタ動く、爪が引っかかる

お洋服やストッキングに指輪の爪が引っかかるようになったり、指輪を振ると耳元で「カタカタ」と音がしたりしませんか? これは、宝石を留めている爪が緩んでいるサインです。このまま使い続けると、大切なダイヤモンドや宝石をいつの間にか紛失してしまうかもしれません。 石留めのゆるみチェックは、プロのルーペでの確認が必要です。

4. 年に一度の定期検診として

特に不具合を感じなくても、1年〜2年に一度はクリーニングを兼ねてショップへお持ちいただくことをおすすめします。 ご自宅での洗浄では落としきれない、細かい隙間の頑固な汚れを業務用の洗浄機で落とすだけでなく、職人の目で「石が緩んでいないか」「深い傷がないか」をチェックすることができます。

「WAIJEWELRY」は、あなたのジュエリーの主治医です

ジュエリーは、買っておしまいではありません。 人生を共にするパートナーとして、長く付き合っていくためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

WAIJEWELRY の最大の特徴は、「自社工房を持っていること」です。 販売員がただ売るだけのお店とは違い、私たちはジュエリーを作る職人の集団でもあります。 自分たちが手作りしたジュエリーだからこそ、その構造を熟知しており、どのようにお手入れすれば一番美しくなるか、どう直せば長く使えるかを一番よく知っています。

他店で購入されたジュエリーの修理やクリーニングについても、まずはお気軽にご相談ください(※素材や状態によってはお受けできない場合もございます)。

「なんだか最近、指輪がくすんできたな」 そう思ったら、お買い物のついでにふらりと WAIJEWELRY へお立ち寄りください。 ほんの数分のクリーニングで、あの頃の感動的な輝きが蘇るかもしれません。※職人の状況によってお預かりになる場合がございます。

あなたのジュエリーが、いつまでもあなたを輝かせ続ける存在でありますように。 私たち職人が、心を込めてサポートさせていただきます。

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